鍼治療とは
鍼治療を経験されたことのない方は、「痛そう」と不安に思われるのではないでしょうか。しかし、基本的に痛いものではありません。治療では、とても細いステンレス鍼(長さ約40〜80mm、太さ直径0.17〜0.33mm)を使用します。これは髪の毛ほどの太さしかなく、刺すときに金属または合成樹脂製の『鍼管』という筒状の管を使うので、無痛で治療を受けることができます。
また、ステンレス鍼は弾力があり、折れる心配がありません。さらに完全滅菌のものを使用しているので、安全・安心に治療を受けていただくことができます。
鍼治療とマッサージの違い
意外と混同されがちなのが、マッサージと鍼灸です。
この二つの決定的な違いは
・道具を使うか使わないかというところで、マッサージは体の表面から基本的には手指を使い筋肉の凝っているところや、ツボを刺激、アプローチするのに対し、鍼治療は鍼を使い、身体の中に刺すので、筋肉やツボを内面からアプローチが出来ます。
鍼は血行の流れを良くするお手伝いをし、また、皮膚や筋肉に分布する感覚神経を刺激し、脳などで中枢神経を介して痛みを鎮めてくれる作用があります。
そして自然治癒力や自己免疫力といった体自身が本来持っている力を呼び起こします。
肩こりや腰痛に対してのイメージが強い鍼灸ですが、痛みに対する効果は、研究でも明らかになっています。
こりトリニックの鍼治療5つポイント(こりトリ式HARI)
- 治療の前後にバイタルチェック。血圧、脈拍を計り、鍼を行える状態であるかチェックします。普段より大きくかけ離れた数値の場合は施術を見合わせます。鍼施術後、患者様によっては、血流改善、自立神経調整により血圧の降下が見られる事もありますので、ご希望により、施術後にも血圧、脈拍を計らせて頂きます。
- 問診により、患者様の現在の症状、抱えている心身の悩みなどを伺い、西洋医学、東洋医学の側面より施術致します。特に内科的疾患、精神的ストレスの患者様には経絡治療により痛む部位から離れた経穴に鍼を打ちます。
- 鍼を打つ前段階として、全身に前揉法15分程行います。これによって患者様の緊張を和らげ、鍼の刺入をしやすくするとともに、筋の緊張部位と深さ、脊椎の歪み、身体の癖、気血の滞りを確認します。
- 表面のこりだけではなく、マッサージや整体では解消しきれなかった、深部のこりを解消し、お身体の根本治療を目指し、健康体である身体を手に入れます。
- 後揉法にて、鍼後の違和感を取り除くとともに前揉法で感じたこりが解消されているかを確認します。最後に患者様のライフスタイルも考え、次回来院までの生活での注意点やご自宅でできるセルフケアをお教えします。
鍼治療の歴史
鍼治療は今から2000年以上前に中国で誕生したと言われています。
さらに紀元前2世紀頃には、経脈に関することが記された文献も存在します。
漢代には『黄帝内経』が編集されます。
こちらの書物は現在、東洋医学理論の基礎とされています。
6世紀頃になると朝鮮半島から日本に伝えられ、当初は官職が鍼灸を扱い、医療職として設けられていました。
1984年に国宝指定され、現在は東京国立博物館に保存されている、日本現存最古の医学全書『医心方』は、鍼博士の「丹波康頼」が平安時代に編集したそうです。
室町時代後期、江戸時代初期には、鍼が盛んになり、様々な鍼の流派も生まれています。
ツボ(経穴)に関する書物も多く発刊されています。
第二次世界大戦が終わると、日本を統治したGHQが鍼灸を禁止しようとします。
それにより、日本における鍼灸は存続が危ぶまれることとなりますが存続運動などにより、昭和22年12月に現在の 「あん摩マッサージ指圧師」「はり師きゅう師等に関する法律」の原型が定められます。
科学的な実証を求められるようになり、研究も進んでいきます。
1979年になると、WHOは鍼灸治療の適応疾患43疾患を発表しました。
これは、鍼灸師の研究結果が元となり世界的に鍼灸治療の幅広さを示すこととなったのです。
2008年WHO西太平洋事務局は、その5年ほど前から伝統医学の国際標準化プロジェクトを開始するのですが、その最も大きなプロジェクトのひとつが鍼灸治療で用いるツボ(経穴)が協議の末にWHOで公式な経穴位置がこの年に定められました。
このほかにも東洋医学に関する用語なども認められてきております。
鍼治療の来院ペース
お身体の状態、症状にもよりますが1週~2週に一度が来院の目安になります。
鍼治療をうける上で注意したいこと
- 高熱時、飲酒時、極度の疲労時は治療の効果が期待できません
- 食事はなるべく治療の1時間前までにとるようにしてください
- 施術後の飲酒はなるべく避けて頂き、老廃物の排出の為、水分補給をいつもより多めにお取りください
- 鍼の刺激の感じ方には個人差があり、鍼を刺す際や鍼特有の響きの刺激が、まれに不快に感じられることがあります。このようなときは我慢せずお伝えください
- 治療後にだるさ、めまい、発熱、痛み、しびれのような症状が出現することがありますが、身体が症状を改善しようとしている好転反応だと考えられます。
これらの症状の多くは一時的なものですので、あまりにもひどくそのような症状が出る場合にはお伝えください - 患者さん個々の状態、症状にもよりますが、初めの治療は軽い刺激で治療し、経過を見ながら刺激量など治療内容を変更していきますので、ご心配な点がありましたら、その都度ご相談ください
- 鍼治療のときに出血および内出血などが起こる可能性があります。
お薬または病気により出血傾向がある方は治療前に必ずその旨をお伝えください。内出血は1~2週間程度で治りますので、身体への悪影響はありません - 治療効果は、症状や傷めた期間、長期にわたる症状は、治療効果が出てくるまで比較的時間がかかります
- 患者さん個々の刺激に対する感受性や自然治癒力によって治療効果が大きく異なります
- 問診の際に、場合によっては治療できないこともあります。ご了承くださいません